こんにちは、FP講師のhanazoです。
資産形成や投資を始めようとすると、最初に必ずぶつかる壁となる言葉があります。それが「利回り(りまわり)」です。
ぱぐ男あー、利回りって数字が高いほどお得で、すぐ儲かるやつっすよね!自分なら迷わず10%とか高い方を選ぶっす!



ちょっと待ってぱぐ男くん!その「数字が高い方がいい」っていう油断が、実は一番危険なのよ!
不動産投資でも新NISAでも、利回りの正体を履き違えると、一生懸命貯めたお金が穴の空いたバケツのように逃げていきます。
結論からお伝えすると、投資のプロが最初に見るのは広告にある高利回りではなく、コストを引き算した「実質利回り(NOI利回り)」です。
今回は、不動産業界や投資の世界に潜む「表面利回り」という名の罠と、真実の姿である「実質利回り」について、できるだけ平易な言葉で解剖していきます。
そもそも「利回り」とは?お金のモテ度をわかりやすく解説
まずは利回りの根本から整理していきましょう。
利回りとは一言でいうと、「出したお金が、1年間でどれだけ仲間(利益)を連れて帰ってきたか」という割合のことです。
- 100万円を投資に出して、1年後に5万円の利益を連れてきたら利回り5%
- 100万円を投資に出して、1年後に10万円の利益を連れてきたら利回り10%
利回りが高いほど、そのお金が「稼いでくる力」が強いということです。まさに「お金のモテ度」と言えますね。



なるほど!モテ度が高い(利回りが高い)ほうが、仲間をいっぱい連れてきてくれるから良いってことっすね!



基本の意味はそれでバッチリだよ、ぱぐ男くん。でも、投資の世界には大きな罠があるんだ。ここからが本番だよ。
【甘い罠】広告の「表面利回り」を鵜呑みにしてはいけない理由
不動産の広告や投資の案内を見ると、「利回り10%!」なんて景気のいい数字が踊っていますよね。これが業界でいう「表面利回り」です。
しかし、この数字を鵜呑みにしてはいけません。なぜなら表面利回りとは、「一切のコストを無視した、理想だけの数字」だからです。
たとえば、1,000万円でアパートを買って、月8万円(年間100万円)の家賃が入るとします。
- 100万円(年間の家賃収入) ÷ 1,000万円(物件の購入価格)= 10%
これが表面利回りの計算です。計算自体は間違っていません。しかし、現実の運用はこれほど甘くありません。



アパートを維持するには、掃除の費用や固定資産税とか、いろいろお金が出ていくものね。
真実の姿!プロが最初に見る「実質利回り(NOI利回り)」の計算方法
実際にアパートを所有・経営すると、さまざまな費用が手元から出ていきます。
- 管理費:共用部の清掃代や電気代
- 固定資産税:不動産を所有しているだけでかかる税金
- 修繕積立金:屋根や外壁の定期的なメンテナンス費用
- 火災保険料:万が一の災害に備える保険料
仮にこれらの維持費が年間30万円かかったとすると、手元に残る本当の利益は100万円ではなく「70万円」です。
さらに忘れてはならないのが、物件を購入する際にかかる登記費用や仲介手数料などの「諸経費(仮に100万円)」です。
本当に出たお金と、本当に手元に残った利益で計算し直してみましょう。
- 70万円(実際の利益) ÷ 1,100万円(諸経費込みの総費用)= 約6.3%
10%だと思っていた利回りが、現実には6.3%まで下がってしまいました。
この「出ていくお金」をしっかり引き算した真実の姿を、プロは「実質利回り(NOI利回り)」と呼びます。



うわっ……10%だと思って飛びついたら、実際は6.3%だったなんてショックが大きすぎます……!
【徹底比較】表面利回り10%のボロ物件 vs 表面利回り7%の新築物件
「まあ、ちょっと数字が減るくらいなら……」と思うかもしれません。ですが、具体例を見るとその差は歴然です。
表面利回り10%の築古(ボロ)物件と、表面利回り7%の新築物件を比較してみましょう。
- ボロ物件(表面10%):修繕費や維持費がどんどんかかり、実質利回りを計算したら2%に激減。
- 新築物件(表面7%):当面は維持費や修繕費がほとんどかからず、実質利回りを計算しても6%を維持。



表面上の数字だけに騙された人はボロ物件を選び、数年後に修繕費の請求書を見て青ざめることになる。一方で本質を知っている人は新築を選び、着実に資産を積み上げていくんだよ。
表面の数字は誰でも見ることができます。しかし、実質の数字は自分でしっかりと計算した人にしか見えないものなのです。
まとめ:大人の投資は「引き算」で決まる
投資において、入ってくるお金(収入)だけに目を奪われてはいけません。出ていくお金(経費)をどれだけシビアに「引き算」できるか、それこそが資産形成の勝負どころです。
営業マンや広告に対して、「表面利回りはわかりましたが、実質利回りはどれくらい残りますか?」という一言が自然に出てくるようになれば、カモにされる投資家からプロへ一歩近づくことができます。
数字は嘘をつきません。しかし、自分に都合の良い数字だけを見せてくる人はたくさんいます。見た目の数字に騙されず、中身をしっかりと見抜く目を一緒に養っていきましょう!
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