日経新聞の人気連載「家計の法律クリニック」で、非常に興味深い相談が取り上げられていました。相談内容は、「自分は隣の部屋より高い値段でマンションを買わされた。営業マンを詐欺で訴えられないか」というものです。
不動産投資やマイホーム購入の後で、こうした不安を抱く方は少なくありません。しかし、結論から言えば「高い」という事実だけでは詐欺として訴えるのは非常に困難です。
今回はこの記事の要約とともに、FP(ファイナンシャル・プランナー)としての見解をまとめます。
ぱぐ男えっ!隣より100万円も高く買わされたら、絶対詐欺っすよね!?警察呼んで全額返してもらうっす!



感情で騒いではダメ。価格が高いだけで詐欺にはならない。法律と商売の境界線を知らないから搾取されるんだよ
1. 記事の要約:逮捕された「悪質な詐欺」の実態
記事では、最近報じられた「高齢者狙いのマンション投資詐欺」を例に出しています。容疑者は260万〜300万円で仕入れた築数十年のワンルームを、高齢者に「2,000万円」で売りつけて逮捕されました。
これが「商売」ではなく「詐欺」とみなされた理由は、価格の高さそのものよりも「嘘(虚偽の事実)」にあります。
- 「虚偽の事実」:銀行に預けるより格段に利益が出る、という客観的にあり得ない嘘を告げた。
- 「相手の錯誤」:情報を集めるのが難しい高齢者を狙い、嘘を信じ込ませた。
法律上の詐欺には、こうした「相手をだまして勘違いさせるプロセス」が必要なのです。



なるほど…。値段の高さじゃなくて、『あり得ない嘘をついて騙したか』がポイントなんですね!
2. 「高い値段」はどこまで許されるのか?
一方で、一般的な取引において「隣の部屋より100万円高い」といったケースはどうでしょうか。記事によれば、これは「商売の範囲内」とされるのが一般的です。
例えば、スーパーで80円の飲み物が、観光地やゴルフ場では300円で売られていることがあります。これは詐欺でしょうか?答えはノーです。消費者は「場所代」や「利便性」を納得して買っているとみなされるからです。
不動産も同じです。階数、眺望、販売時期によって価格が動くのは「商慣習」であり、多少の誇張(セールストーク)も社会通念上は許容範囲内とされています。



つまり、相場より高い値段で買うこと自体は『納得して買った自己責任』になるんですね!契約前に自分で相場を調べるのが絶対条件だってメモしておきます!
3. FP講師としての見解:身を守るのは「法律」ではなく「知識」
ここからは、僕(FP講師・投資家)としての見解です。
記事にもありましたが、たとえ詐欺罪が成立しなくても、業者が「説明義務」を怠っていれば損害賠償を請求できる場合があります。 2019年の裁判例では、不動産投資の勧誘において以下の説明がなかったとして、業者に賠償が命じられました。
- 空室リスクや家賃滞納のリスク
- 将来の価格下落や金利上昇のリスク
営業マンが「メリット」しか語らない場合、それは「守り」の構築が不十分な危険な取引です。
結論:無知は、最大のコストである
日経記事が突きつける現実は残酷です。詐欺で訴えられたとしても、失ったお金が100%戻ってくる保証はありません。相手に「返すお金」がなければ、裁判に勝っても回収はできないからです。
結局、僕たちにできる最大の防衛策は「判をつく前に、自分で相場を調べる」こと、そして「リスクを数字で把握するリテラシー」を持つことです。
「高い買い物」を「良い投資」に変えられるかどうかは、最後はあなた自身の「知識」にかかっています。












